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小型心電図からワイヤレスでスマホにデータを飛ばし

在宅・遠隔モニタリングの活用例さまざま-臨床モニター学会シンポジウム
医療介護CBニュース 4月19日(金)21時45分配信

在宅・遠隔のモニタリングについて議論(19日、奈良市内)
 ICT(情報通信技術)の進歩に伴い、離れた場所からでもモニタリングが可能となり、活用が広がりつつある。19日から奈良市内で開催された臨床モニター学会のシンポジウムでは、4人のシンポジストが自施設での在宅や遠隔におけるモニタリングの実践例を紹介した。

 獨協医科大心臓・血管内科の菊地研准教授は、小型心電図とスマートフォン(スマホ)を用いた12誘導心電図電送システムを紹介。小型心電図からワイヤレスでスマホにデータを飛ばし、スマホから病院へメールを送信する仕組みで、このシステムを使えば、12誘導心電図データを救急隊から専門医に事前に提供できるようになり、「ST上昇型急性心筋梗塞」(心電図波形のST部分が上昇する心筋梗塞)の早期診断につながる。このため、救急隊の到着前にカテーテル治療室の準備やチームの招集ができ、2時間以内の実施が推奨されている「再灌流療法」(閉塞した血管を開通させる治療)までの時間を短縮できる。スマホが整っている場合の導入コストは、小型心電図の100万円弱だという。

 自治医科大内科学講座循環器内科学部門の星出聡講師は、東日本大震災後に南三陸診療所を医療支援した経験を語った。高血圧の治療では血圧測定が欠かせないが、震災後のストレスのため、医師や看護師の前で緊張して血圧が上昇してしまう「白衣効果増強」や、環境の変化による脱水症状から、診察室で測った血圧だけで判断して治療を行うと、過剰降圧になる恐れがあった。そこで、避難所に据え置き型の血圧計を設置。家庭には25回分の測定データを記録できる血圧計を配布し、データセンターにデータが集積されるシステムをつくった。集積されたデータは、自治医科大の医師が評価。ハイリスク患者を遠隔で同定し、診療所に連絡する。現在も、この支援は継続している。

■再入院率が高い慢性心不全患者のモニタリング

 佐賀大医学部循環器内科の野出孝一教授は、再入院率が高い慢性心不全患者へのICTを用いた遠隔モニタリングを紹介した。心不全患者は、薬の服用や水分制限の不徹底などで再入院することが多いため、在宅での看護師や介護福祉士の介入の必要性が指摘されているが、マンパワーや経済的な面から限界がある。そこで野出氏は、病状変化を遠隔で早期発見できるシステムを考案した。病状変化の指標にしたのは、再入院の1週間前から起こるとされる体重増加。また、血圧も同時に測定することにした。導入コストは、体重計、血圧計、無線LANのセットで約8万円。今後の課題として、患者に納得してもらえるだけの費用対効果や安全性の確保などを挙げた。

 射水市民病院の麻野井英次病院長は、慢性心不全患者の悪化を早期発見するためのモニタリングを紹介した。心不全患者の多くに「周期性呼吸」や不規則な呼吸が認められることから、麻野井氏は呼吸情報に着目。呼吸の不規則性を定量評価できる呼吸安定性指標(RSI)を開発し、遠隔医療への応用の可能性を、ほかの指標(心拍数、血圧、呼吸数、体重、臥床時間など)と比較・検討した。
 その結果、心不全の悪化に最も鋭敏だったのはRSIで、体重増加や自覚症状など、ほかの指標には入院直前までほとんど変化は見られなかったという。このため、呼吸の安定性を指標にして遠隔モニタリングすれば、重症心不全患者の悪化を早期に発見し、適切に治療介入して再入院を予防できる可能性があるとした。【坂本朝子】
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by suwataisya | 2013-04-25 04:12 | 循環器
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